皮膚科

皮膚に発生する湿疹やガサガサしたもの、ジュクジュクしたもの、赤く腫れたものなど診療しています。

特に当クリニックでは炎症性腸疾患やリウマチ、膠原病の患者の方が多いため、これらの疾患に付随する皮膚異常について重点的に診療しています。

 

潰瘍性大腸炎やクローン病、関節リウマチ、膠原病各疾患では生物学的製剤や免疫抑制剤、抗リウマチ薬、ステロイドなど使用されていることが多いことから、皮膚の異常が現れた場合次の3つを考える必要があります。

 


  1. 感染症(細菌やカビ)ではないか
  2. 元々の病気の症状の一つとして皮膚に異常が出たものでないか
  3. 元々の病気とは別に発生した皮膚の病気ではないか。

 

まず、①の感染症ですが、生物学的製剤やステロイド、免疫抑制剤の使用では体の抵抗力が低下するために意外な感染症を拾ってしまうことがあります。いろんなところに細菌やカビはいますが、一般的には皮膚がバリアーとなっておりちょっと触ったくらいでは感染しません。しかし上述するような薬剤を使用していると感染症を起こします。生物学的製剤や、ステロイド、免疫抑制剤を使用されている方はカビに対する皮膚のバリアー機能が弱くなっています。体を清潔に保つよう留意しましょう。

特にフケがたまり易い頭皮、腋や肘・膝・指など汗がたまり易い折れ曲がるところは気をつけてください。

 

①「感染症」と②「原病」もしくは③「合併疾患」とでは治療方針がまったく違います。

当クリニックでは皮疹の表層の薄皮をはがして、特殊な薬液を用いてカビがついていないかどうかを顕微鏡で検査しています。

黄色い水が出ている場合、膿が出ている場合は細菌感染症の可能性がありますので、専用の綿棒を用いて菌の特定を行っています。

皮膚に出やすい感染症について

繰り返しますが、生物学的製剤や、ステロイド、免疫抑制剤を使用されている方はカビに対する抵抗力が弱くなっています。

代表的な病気に「脂漏性皮膚炎」があります。頭皮や顔などに赤くてガサガサした、表面に粉を吹いたような皮疹ができます。

多くはマラセチアという名前のカビが原因になります。マラセチアはフケ菌ともいわれ、どんな人でも皮膚の上に多少はいます。

これが異常に増殖して皮膚の比較的浅いところに巣を作っているのが脂漏性皮膚炎です。

胸や腹に十円玉くらいの大きさのカフェオレのような色の皮疹ができる場合もあり、この場合は殿風と呼ばれています。マラセチアに対する抗カビ薬を塗って治療しますが、頭皮などは薬を塗ること自体やり易い場所ではありません。水虫の場合も同様ですが、カビで起こる病気は根気よく治療を続ける必要があります。

 

炎症性腸疾患で生物学的製剤を使用中に頭皮にガサガサした赤い皮疹がでた場合、上記の①「感染症」でないとすると、③「別の病気の合併」すなわち尋常性乾癬という病気が合併している可能性があります。炎症性腸疾患で用いられるレミケードやヒュミラといった生物学的製剤は尋常性乾癬の治療薬でもありますので、レミケードやヒュミラ使用中に尋常性乾癬が出現するのは逆さまの反応になります。

このような逆さまの反応を奇異性反応(paradoxical reaction)と呼んでいます。

関節リウマチにレミケードやヒュミラを使用した場合にはこの奇異性反応はほとんど起こりません。炎症性腸疾患という病気そのものが尋常性乾癬を起こしやすいという特徴があるのかもしれません。

 

ただ、関節リウマチにレミケードやヒュミラを使用する時は原則メソトレキセート(MTX)という薬剤を併用します。MTXは乾癬の治療薬でもありますので(不思議なことに日本では未承認)、MTX併用せずにレミケードやヒュミラを使用する場合のトラブルかもしれません。ステロイド成分を含んだ外用薬、ビタミンDやビタミンAの外用薬を用いて治療にあたります。