診察予約は
こちらから

クーリーフ

クーリーフとは?

 

私たちの体は、「痛み」という情報を神経を使って脳に伝えて初めて「痛い!」と感じます。中には神経が長い間感じていた「痛み」の情報を記憶することで、「痛み」の情報を過敏に伝えてしまう方もいます。膝関節の痛みは、軟骨のすり減りや骨の骨棘(とげ)だけでなく、「神経」が原因である場合もあることが分かってきました。
クーリーフは、痛みを感じる神経(感覚神経)に対して、高周波(ラジオ波と呼ばれる電磁波)を流し、感覚神経を部分的に焼灼(組織を焼いて破壊する外科的治療法)し、痛みを軽減する治療です。

 

クーリーフ

 

クーリーフ治療のご案内
Dr.による解説動画(その1)
Dr.による解説動画(その2)
Dr.による解説動画(その3)
Dr.による解説動画(その4)

対象となる方

●変形性膝関節症と診断された患者さまの中で、お薬やヒアルロン酸注射などの治療を行っても、痛みが軽減しない方(半年以上の慢性疼痛が目安)
●ヒアルロン酸注射や鎮痛剤では痛みがなかなか改善されない方
●人工関節置換術を受けたのに痛みが残っている方

期待される効果

 

変形性膝関節症による痛みが改善されることが期待されます。
海外で行われた臨床試験では、治療6ヶ月時点で、治療前よりも痛みを感じる程度が 50%減った患者さまの割合は、 74.1%でした。従来の治療法の一つであるステロイド関節注射と比較しても効果的であったことを示しています。変形性膝関節症の慢性疼痛軽減効果が期待できる最新の保存療法と言えます。( 効果には個人差があります)

 

※本品を用いた151例、 6ヶ月までの多施設ランダム化臨床試験および12ヶ月、18ヶ月、24ヶ月までの長期的な有効性、安全性評価1, 2, 3

 

考えられるリスク及び副作用

 

これまでの試験では、以下のような事象が発生しています。
●針を刺す際の痛み:約14.5%
●感染症:約1.3%
●皮膚異常:約1.3% 等
稀ではありますが、上記のような不利益が生じる可能性があります。

 

これからの変形性膝関節症の治療

 

クーリーフ

クーリーフに関するQ&A

痛み止めの薬や注射、手術が必要なくなりますか?
痛みが0になるわけではなく、痛みの大幅軽減が期待されています。痛み止めの薬や注射の量、回数が減ることは期待できます。曲がった足を整える治療ではないため、必ずしも将来の手術を避けられるわけではありません。しかし、これまで行われた臨床試験の結果や基礎研究からも変形性膝関節症の慢性疼痛軽減効果が期待できる最新の保存療法と言えます。
人工関節置換術を受けましたが、なぜか痛みが残っています。クーリーフ治療で効果は期待できますか?
疼痛軽減効果が期待できる可能性があります。まずは主治医にご相談ください。
クーリーフでの治療後、すぐに痛みは軽減しますか?
治療後これまで感じていた痛みがなくなる大幅に改善するといった効果を感じることがありますが、これは局所麻酔の効果です。クーリーフによる疼痛軽減効果は徐々に出てきます。早い方ですと 2日~1週間程度で効果を感じ始める方がいらっしゃいます。(個人差があります)。

治療の流れ

01

受診日

まずは、クーリーフの治療が対象となるか受診いただきます。

02

治療日

対象となる膝に超音波エコーでターゲットとなる神経を探します。
クーリーフの針を刺す部分に局所麻酔をします。この際に注射をします。
麻酔の効果を確認できれば、クーリーフの針を刺します。STEP3で麻酔をしていますので、痛みをほとんど感じる事はありません。痛みがある場合は状況に応じて、麻酔薬を追加します。
クーリーフの針から高周波を流し、ターゲットとなる神経を焼灼します。1部位あたり2分30秒高周波を流します。この際には痛みを感じることはほとんどありません。

治療後、体調に問題なければ、ご帰宅いただけます。

03

アフターケア

経過観察のため1週間後に受診いただきます(医師の指示によって変動します)。

NRSスコア

 

治療6ヶ月時のNRSに基づく膝関節疼痛が50%以上軽減した被験者の割合
• 74% Coolief 疼痛管理用高周波システム群
• 16% 関節内ステロイド注射群
治療は、それぞれのベースラインと比較して50%以上のNRS スコアの減少によって示される痛みの臨床的に有意な変化を示された。

治療後12 ヶ月時点で、 65%のCoolief 疼痛管理用高周波システム被験者群が NRS に基づく膝関節疼痛が50%以上軽減した

• 85%の関節内ステロイド注射群が、治療後6ヶ月時点で Coolief 疼痛管理用高周波システムへと移行した。

治療後18 ヶ月、 24 ヶ月時点で NRS は、 3.1 2.7 n=25 )および 3.6 2.8 n =18 )とベースラインに比べ有意に減少した。 (p<0.0001)

※1 1ポイントのNRS は、「 0 」から「 10 」までのスケールで構成され、「 0 」は「痛みがない」、「 10 」は「想像できる最悪の痛み」を示す。

参照
:
1. Tim Davis, Eric Loudermilk, Michael DePalma, Corey Hunter, David Lindley, Nilesh Patel, Daniel Choi, Marc Soloman, Anita Gupt a, Mehul Desai, Asokumar Buvanendran, Leonardo Kapural Prospective, Multicenter, Randomized, Crossover Clinical Trial Comparing the Safety an d E ffectiveness of Cooled Radiofrequency Ablation With Corticosteroid Injection in the Management of Knee Pain From Osteoarthritis: Reg Anest h P ain Med. 2018 Jan;43(1):84 91.
2. Tim Davis, Eric Loudermilk, Michael DePalma, Corey Hunter, David A Lindley, Nilesh Patel, Daniel Choi, Marc Soloman, Anita Gu pta, Mehul Desai, Elizabeth Cook, Leonardo Kapural Twelve month analgesia and rescue, by cooled radiofrequency ablation treatment of osteoa rthritic knee pain: results from a prospective, multicenter, randomized, cross over trial: Reg Anesth Pain Med. 2019 Feb 16;rapm 2018 100051. doi: 10.1136/rapm 2018 100051.
3. Corey Hunter , Tim Davis , Eric Loudermilk , Leonardo Kapural , Michael DePalma, Cooled Radiofrequency Ablation Treatment of the Genicular Nerves in the Treatment of Osteoarthritic Knee Pain: 18 and 24 Month Results, Pain Pract 2020 Mar;20(3):238 246. doi: 10.1111/p apr.12844. Epub 2019 Nov 14.